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Zenith アラーム時計

銀ケースのスイス、Zenith社のアラーム付き
懐中時計です。1930年頃の製品です。

右のダボを押すと時刻を合わせられ、
左を押すとアラーム時刻をセット出来ます。

下端に見えている突起を使って裏蓋を開いた
状態で時計を立てることが出来ます。
目覚ましとしてベッド脇に置くのに便利な機能
です。

この時計には時刻用ぜんまいとアラーム用
ぜんまいの2つの香箱があり、アラームはこの
ぜんまいの動力がある限り鳴り続けるしくみ
です。優れているのは1本のリューズを時計周りに回すか反対かで各々のぜんまいを別々に巻き上げることが出来る機構です。

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左の図は、アラーム用ぜんまいを巻き上げているところです。香箱に動力を伝える歯車に遊びがあり、回転の報告により右に寄るか左に寄るかして左右の香箱を選ぶ機構です。左図では右側に歯車が寄って、アラーム用香箱に動力を伝達しています。

アラーム用香箱
(中にぜんまいが入ってます)

時刻用香箱

リン(金属線)

ハンマー

ハンマーの動き

右の図は、時刻用ぜんまいを巻き上げているところです。左側に歯車が寄って、時刻用香箱に動力を伝達しています。
簡単な機構ですがうまく動作しております。

アラームの音は、機械の外に配されたリンと呼ばれる金属線をハンマーで叩いて出します。 普通の目覚ましだと蓋内部のカバーを鳴らすのでジャリジャリと盛大な音がしますが、こちらは優雅にリリリンと鳴ります。

誰がいつこのあたりの機構を考えたのか定かではありませんが、時計師のアイデアの跡が
興味深いですね。特許にしていたかもしれません。 (特許の期間は20年程度ですので
現代では意味はありませんが)