LIP フランス
1900年頃にはムーブを自作出来るようになり、1907年に工場設立し、1908年にLipの商標を用いました。LIPは創業者のLipmannから来ているようです。因みに1910年の製造個数は1万台でした。
LIPが初期に成功したのは、当時珍しい全国キャンペーンでLIPの名前が有名になったおかげだと思われます。
この後、LIPは時計の正確さをアピールするために、Chronometre LIPやChronometre
de Franceのロゴで時計を作ります。大部分の時計は実際にはクロノメータと認定されていないと思われますが、当時のLIPは標準時局から賞をたびたび受けていますし、トップグレードの機械は1月に1分の精度を誇っています。
1931年にLip SA d'Horlogerieと改名して工場を増設し、350人の従業員により年40,000台の時計を生産しました。
LIPは1936年に時計技術と部品をロシアに提供する契約を結びました。このことによりロシアに時計工業の技術が移転されたのです。LIPの機械技術を用いてSwesda,
Saljut, Molnijaと呼ばれる時計ムーブが量産されました。
その後、LIPはフランスを代表する時計メーカとして拡大して行きますが1970年代のQuartz時計の攻勢に敗れ、1976年に生産をストップします。
LIPの名前は転売されて現在も
ありますが、もはや時計を製造はしていません。
フランスのLIP社のクロノメータ懐中時計です。機械は普通のものです。当時、
LIP社は正確さをアピールするためにCHRONOMETRE LIPのロゴを使っていました。LIP社は実際に認定されたクロノメータも製作していましたが、大部分はロゴだけの時計と考えられています。(中には表示がないのにクロノメータである時計もあるそうですが)
LIPの懐中は余り知られていませんが、
腕時計の時代になってからのLIPは、フランスではポピュラーな時計メーカーでした。
LIP社の歴史についてNick Downes氏が貴重な記事[1] を書かれていましたので、許可を得てその一部を紹介致します。
LIPは、Emmanuel Lipmannにより1867年にフランスのBesansonに設立されました。社名はComptoir
Lipmannで、15名の従業員を使ってスイス製ムーブを購入して時計を作り出しました。
1893年に社名をSociete Anonyme d'Horlogerie Lipmann Freres と変え、Gallus
la Nantaise、 Tandem の商標でシリンダ脱進器の時計を作り、1895年には2500台の時計を生産しています。