RotterdamのWilliam Gib作 懐中時計

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第一号で入会頂きましたけいさん
懐中時計を紹介いたします。詳細な解説も頂きましたので以下に引用いたします。


この時計は約290年前にRotterdamのWilliam Gibという人が作ったものです。

シルバーの文字盤はetchingで仕上げられていて、窪みに黒エナメルを入れたChampleveとよばれるタイプのもの。18Cの初め頃まで見られたタイプの文字盤です。

視認性の点で問題があった理由からだと思いますが、18Cの中ごろにはほとんど姿を消しており、エナメルの文字盤が一般的になりました。また、多くのChampleveダイアルも時代の流行
からか、エナメルダイアルに取り替えられたものも多く見かけます。また、それとは反対に、
18Cの終わりごろのものでも懐古主義からか?レプリカタイプのものをみかけることがあり
ますが、その時代になるとエッジがあまく、全体的にぼや〜とした雰囲気の文字盤になっています。

 ケースはペアケースで、アウターケースはrepousseと呼ばれる打ち出し細工が施されています。

機械はバージ式です。バランスコックは擬似振り子と呼ばれるタイプで、17Cの終わりごろ
から18Cの初め頃に見られるタイプです。振り子時計=正確というイメージが定着してきた頃、この時計は正確だよというアピールのため、
さも振り子が振幅しているようにみえる細工を施した時計です(バランスのブリッジ部分が振り子を模した形となってます)。

ピラーはエジプシャンピラーというタイプの一種で、ピラーの上部が透かし彫りになっています。

さすがに古い時計には歴史が凝縮されていますね。写真ではガラスをはずされていますが、
フラスコの底を使ってガラスを自作されたそうで、ガラスのゆらぎがかなりいい雰囲気をだしていて 泡はないもののオリジナルと見間違えるほどの仕上がりだそうです。

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