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Right Angle Lever 脱進器

100程前のスイス、英国ではEnglish Leverとよばれる脱進器が多用されていました。普通のEnglish Lever では下図のように爪が
右に出ていますが、爪からテンプ (balance)までの距離が短いです。
このEnglish Leverと同様な形で
爪からテンプまでの距離が長いもの(左図)を Right Angle Leverと呼んでます。

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普通のEnglish Lever脱進器

 時代が新しいものでは、左斜下図のように脱進器の稼動部を曲げて小型化しています。
周りに当たらないようになんとも言えない曲線にしてあります。
時計の小型化が進み、脱進器も小型化する必要があったのでしょう。進化していくのが面白いですね。

参考のために下に直線型のRight Angle Lever脱進器の懐中時計の全体を図示してます。
この時代は鍵巻きでしたので、裏蓋が開いて鍵でぜんまいを巻き上げるようになっておりました。いかにもヨーロッパらしい瀟洒なデザインです。
機械と文字盤にはA&R Bourquinと刻印されてます。国籍は良く分かりませんが、恐らくフランス系のスイスではないかと想像しております。
(御存知でしたら教えてください)

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鍵巻きの機械と銀ケース

文字盤、針が美しい

脱進器の形状は、上図のようにただの棒のものもありますが、下図のようにテンプの反対側に重りを付けて バランスをとっているものが 一般的です。
回転部分が長いために回転軸に対してアンバランスが生じてしまい、このような工夫がなされたとものと思われます。

Right Angle Lever脱進器 [1]

直線型のRight Angle Lever脱進器

曲線型のRight Angle Lever脱進器

参考文献
[1] C.Shugart et al., "Complete Price Guide to Watches"