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クロノグラフ (1884)

クロノグラフ(chronograph)は、ボタンを押してから次に押すまでの間の秒数を計測する機能がある時計のことです。
この銀製ハンチングカバーのクロノグラフはバーミンガムで1884年に製造されたものです。特別に製作された複雑時計を除いて一般向けにクロノグラフが作られたのは1880年以降ですので、この時計は初期の製品に属します。
この時代のクロノグラフにはこの時計のように、 しばしば300分割した秒目盛があるのですが、 なぜ300なのかわかりません。元々は、大砲の着弾までの時間を計ったとか、競馬のタイムを計ったとか諸説がありますが、本当は何に使われたのかはっきりしません。(ご存知の方教えて下さいメールお願いします!)

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カバーを開けた状態
(クリックすると拡大図を見れます)

この時計の裏側は、蓋を開けるとガラスカバーがしてあり、クロノグラフの動作が見れるようになっております。以下、写真により動作を説明します。

秒を積算する時には文字盤12時方向のレバーを押します。すると秒針の輪(緑)と中央の輪(赤)との間に伝達機構の輪が入り、秒針(緑)の回転が中央の積算用秒針(赤)に伝わります(上図)。この時、ストッパカム押えは離れます。
現代のクロノグラフでは中央の秒針や伝達機構に輪のかわりにギヤが使われています。
すべり防止にはギヤの方が良いようです。

次にレバーを押して秒の積算を止めます。今度は伝達機構が切り離され、且つ、中央の秒針がレバーを押した時の値に固定されるようにストッパをきかせます(上図)。

もう一度レバーを押すとカム押えが動いて中央の秒針を12時の位置に戻します(最初の図に戻る)。

最初は中心の秒針が12時の方向にリセットされて止まっています。この状態では上図のように、中央の秒針に直結している秒針の輪(赤)とスプリットセコンドの動いている秒針に直結している輪(緑)は分離した状態になっています。ですから秒針の輪(緑)は回転してますが中央の輪(赤)は止まっています。中央の輪(赤)に付いているカムをカム押えで押えて積算用秒針が12時の位置に来るようにしています。 また、中央の輪(赤)ストッパ(青)により押えられて確実に止まっています。

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