アンティーク懐中時計とは

 アンティークとは厳密には製造後100年以上経過した物を指しますが、時計の世界では第二次大戦前であればアンティークと呼ばれるケースが多いようです。 腕時計は第一次大戦頃に生まれましたので、1900-1930年が懐中時計の黄金時代なのですが、 この時代はアンティークと呼ばれているようです。

Homeへ戻る

Homeへ戻る

懐中時計とは、チョッキ等のポケットに入れて使う時計のことで、落下を防止するための鎖を付けるタイプの時計のことです。 このため、英語では Pocket Watch と呼ばれております。 腕時計はベルトにより腕につけますが、懐中時計はそれ以外の方法で身に付けます。 広義には 婦人用のネックレスにつけるペンダント型やブローチにつけるタイプまでを含んでいます。

 懐中時計の大きさはゴリアテ(巨人)と呼ばれる直径6cm以上の大きなものから、婦人用の1.5cm程度の小型のものまでありますが、主流は直径3.5cm〜5.0cm程度の大きさです。 昔の人は懐中時計用に専用ポケットを作っていましたので、大きな時計でも入りましたが、現代の服装では比較的小型の方が使い易いようです。

ペンダント型
やや大型
ブローチ型
中型

 因みに懐中時計から腕時計に変わっていったきっかけは第一次世界大戦でした。それまでは腕にブレスレットのように時計を付けるなんて考えられていなかったようです(女々しいイメージがあったとの説もあります)。
戦争では実用性・機能性が最優先となるため
腕時計が生まれました。興味深い逸話についてはリストレットのページに詳述してますので御覧下さい。

 さて、日本では、懐中時計は、昭和初期、明治、大正、せいぜい古くて江戸末期の時代に使われていました。当時は非常に高価な品物でしたので、懐中時計は貴重品でした。多数の懐中時計を所持する人は稀で、現在まで残っている数量は限られております。
 腕時計の大部分が大量生産でありますが、懐中時計は手工業から工場での大量生産への過渡期に作られましたので、職人技な面が色濃く残っております。少量生産品にしか見られない手作りの面白さがありますし、世界で数点規模しか生産されていない注文生産品も多数ありますので、 一点一点が個性的で見飽きません

ちょっと注意して見ると懐中時計の世界は実に多様で奥の深い世界です。いろんな視点で見てみると、また違った面白さが見えてきます。皆様も御自身の視点で楽しんでいただいて、この世界のおもしろさを少しでも体感して頂ければと思います。

リストレット (懐中と腕時計の過渡期の作)
Counter