Fob(鎖飾り)の悦楽
昔、懐中時計の鎖にFobと呼ばれる鎖飾りを付けるのが流行っていたようです。
このページではFobのいろいろについて御紹介して行きます。
Fobのなかでポピュラーなものに、SEALとかメダリオンとか呼ばれる右図のような飾りがあります。 元々は溶かした蝋に押すハンコとして金属に名前を刻んだ印章でしたが、時計の飾りでは印章として使うのではなく単に名前を記した飾りとして使っていたようです。 後代では特に名前を刻むこともせず、単なる飾りとして付けているように見受けられます。
右は透明な紫の飾りです。
金の鎖に良く合っています。
この品は恐らくガラスですが、中には紫水晶等の宝石を使用しているものもあります。
次の例は、赤い石(?)に騎士の顔を刻んだメダリオンです。
石やカメオに彫刻するFOBも多数あります宝飾品と同じようなものです。
作製の手間を考えると高価なものであったと考えられます。
右図では青い縞模様の希石に葉の形の金を嵌めこんでます。
お洒落なデザインですね。
葉に何か意味があったのかも知れませんが、今となってはわかりません。
米国東海岸の木の葉のようです。
(鎖はBoston近郊で入手しました)
王家や貴族の紋章にも使われているゆりの花紋様(fleur de lis)のFobです。
古典的な紋様が使われている例も多いです。歴史の重みが感じられますね。
この品は銀張りで、大きさの割には軽い仕上がりです。
右下は銀製で1925年の水泳競技を記念したものです。 このように、自身で記念内容
を刻んだりすることは一般的でした。
下、右斜め下も銀製です。
銀製のものは裏に製造年、産地を示す刻印があるものが多いです。
右斜め下のFobは名前を刻む盾の部分が金張になってます。
Fobは日本の印籠につけた根付のような物ですから、 皆さんで好きなFobを付けて楽しんで見られてはいかがでしょうか。
粋な楽しみだと思います。